カカオ農家が直面している課題
ディアソ周辺のカカオ農家が直面する課題には、貧困、インフラの不足(水、道路、教育、医療、通信など)、労働者の不足、病害虫の蔓延、気候変動(降雨パターンの変化)、金の違法採掘などがあります。それらの問題が複雑に絡み合って更なる貧困や児童労働、森林伐採、カカオの品質劣化などを引き起こしています。カカオの生産は重労働であり、十分な生活費が稼げないこともあり、中には子供達にカカオ農家を継がせたくないという人たちもいます。
私たちの取り組み
私たちは、カカオ農家の課題を解決を支援するために、ディアソで活動するアサセパ・フード・システムズ社と協力しています。持続可能なカカオの生産と調達を目指して、森林破壊に関与していないことを確認するために、対象の109名のカカオ農家の畑の位置情報を取得し、森林保全区域外でカカオの生産していることを確認しています。また、品質の良いカカオ豆を生産するために、109名のカカオ農家には収穫後工程のトレーニングを受けてもらい、アサセパ社により出荷前の品質チェックとQRタグの活用によるトレーサビリティの確保を行なっています。森林破壊に関与していない、品質の良いカカオ豆を購入する際には、カカオ農家にプレミアム(上乗せ金)を支払い、日陰樹の苗木を配布し、緑化を推進しています。
その他にも、バイオ炭とカーボンクレジットの生産により土壌の改善、生産量の改善、カーボンクレジットからの収入による所得向上にも取り組んでいます。また、アサセパ社が取り組んでいる手剥きの生のホールニブの加工は、多くの女性カカオ農家に新しい収入をもたらしているため、今後も支援していきたいと考えています。
位置情報取得
QRタグによるトレーサビリティ
アサセパ社が組織したカカオ生産者組合109名の301のカカオ畑の位置情報と形状をマッピングし、森林保全区域外にあることを確認しました。また、この109名のカカオ農家から調達したカカオ豆をQRタグをつけてトレーサビリティを確保することで、消費者の皆様に美味しく森林にも優しいカカオ豆から作られたチョコレートをお届けできるようになりました。これらのカカオ農家からカカオ豆を調達する際には、プレミアム(上乗せ金)を支払い、OframやEmileと呼ばれる日陰樹の苗木と緑化に関するトレーニングを提供し、ガーナの緑化を推進しています。
高品質カカオ豆
109名のカカオ農家は、CHED(Cocoa Health Extension Devision)という専門組織により、発酵や乾燥などの収穫後工程の指導を受けており、品質の良いカカオ豆を生産するために必要な知識と経験を有しています。アサセパ社により品質チェックとトレーサビリティの確保を行なっています。
健康に熟したカカオポッドだけを選別し、綺麗なカカオ豆だけを丁寧に発酵し、酸味やえぐみが残らないように時間をかけて乾燥します。一般のカカオ豆では、20%以上はチョコレートに使えないカカオ豆や異物が混入しているため、私たちは出荷前にふるいを使い、手作業で小さく平らなカカオ豆やカカオポッドのかけらなどを取り除いています。
バイオ炭
カーボンクレジット
バイオ炭とカーボンクレジットの生産により土壌の改善、生産量の改善、カーボンクレジットからの収入による所得向上にも取り組んでいます。
畑に放置・分解されているカカオポッドをバイオ炭に再利用することで、マラリアを媒介する蚊の発生を抑制し、菌性のブラックポッド病の温床を取り除き、分解時の温室効果ガスのメタンを発生を防ぎます。
バイオ炭を土壌に散布することで、土壌の保水性・有機性を高め、土壌酸性度を調整し、カカオの木にとって成長しやすい条件を整える事ができます。また、バイオ炭は土壌中に100年以上残存することが確認されており、有効な炭素隔離方法と言えます。
手剥き生ホールニブ
カカオ農家は収穫期以外に現金収入を得る事が難しく、アサセパ社が取り組んでいる手剥きの生ホールニブの加工は、女性のカカオ農家に現金収入をもたらす貴重な雇用機会となっています。
生のカカオ豆の薄皮を剥くには、手作業で一個一個作業するしかなく、一人当たり1日に1kg程度しか手剥きすることができません。そのため、多くの注文が入る際には、多くの人手が必要となり更なる雇用を創出する事ができます。生ホールニブはシュガーコーティングやチョコレートコーティングなどにご利用頂けます。
お問い合わせ
ご意見やご質問がある際には、お気軽にお問い合わせ下さい。
担当者
石本満生
Email : m-ishimoto@tachibana-grp.co.jp
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